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2016/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

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No.2139945 (スレ作成日時)

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No.151


「ありがとう」

受け取ると、少し間をあけて早川君が隣に座った。

No.152


「あのさ…」

早川君が、先程迄とは違いはぎれ悪そうに話し出す。

「何?」

私は、ジュースを一口飲んで話しを促した。

No.153


「まきって、好きな奴いるの?」

早川君が照れくさそうに少し早口に話す。

No.154


(好きな人か…朝のニュース番組のあのお姉さんかな…って、多分そういう好きとは違うよな…)


No.155


「…いるよ」

私は、適当に返事をした。

「そっか…俺じゃないよな?」

No.156


早川君が、祈るような目で私を見る。

その目が綺麗で見惚れてしまう。

(早川君って、やっぱりかっこいいな…)

No.157


「…ごめん。もしかしたらさ…そう思って」

早川君は、少し目を伏せて目線をそらした。

No.158


その様子を見ていたら、胸が締め付けられた。

(男の子から、男の人になる時って、こんな感じなんだ…)

No.159


私は、早川君の肩に手をかけて顔を近付けた。

早川君の目が驚いて見開いているのが解った。

No.160


私は、早川君にキスする寸前で我に返った。

(まずい…何やってるんだ私)

No.161


何となく雰囲気にのまれていた自分に気がついて、唇に触れる間近で踏み留まった。

(汚しちゃいけない…私じゃだめ)

No.162


私が離れようとするより一瞬早く早川君が、ぐぃっと唇を押しつけてきた。

No.163


それはキスといえる様な物じゃなく、只唇が触れ合っただけなような行為。

No.164


早川君の顔が離れると、私は下を向いた。

(どうしよう…誤解されたよね)

No.165


「ありがとう…俺さ…嫌われてるかな?ってちょっと心配してたから、すげぇ嬉しい」

早川君を見なくても、表情が解った。

No.166


(…まずいな…やっぱりそうとっちゃうよな…)

私は、どう誤魔化したらいいか必死で考えた。

No.167


「俺、初めて好きになったのがまきだったから…両思いになれて本当に嬉しい」
早川君がどんどん話しを進める。

No.168


「違うの…あの…」

私は、振り絞るように声を出した。

No.169


「うん?何て?」

声が小さくて聞こえなかったらしく、聞き返されてしまった。

No.170


「…ごめん、帰るね」

私は、そういうとその場から逃げる様に走り出した。

No.171


「えっ?…ちょっと…」

すぐに早川君が追いかけてくるのが解った。

No.172


(お願い…追い付かないで…)

私は、必死で走ったけど、すぐに追い付かれた。

No.173


「送るよ」

早川君は、私の手をとり握りしめた。

No.174


(恥ずかしがってるって思われたのかな…)

私は、抵抗出来ずにそのまま歩いた。

No.175


「俺、来週引っ越すから、どうしてもまきに告白したかったんだ」

No.176


握られた、私の手から私の汚い物が早川君にうつっていきそうで不安だった、気持ちがその言葉ではれた。

(良かった…思い出作りだったんだ。それぐらいならいいよね)



No.177


「会いにくるから…だからさ、他の奴好きになったりするなよ」

早川君が、ぐっと手に力を込めた。

No.178


話しをややこしくしたくなくて、私は頷くだけにした。

(大丈夫…きっと大丈夫だ。)

No.179


アパートの近く迄くると、
「じゃ!明日は学校来いよ」

早川君は、にっこり笑いながらそういうと走り去った。

No.180


早川君の姿が見えなくなってから、アパートとは反対に歩き出した。

No.181


でも、すぐに足が止まった。

(どこに行くっていうの?あの部屋しか帰る場所はないよね)

No.182


部屋に戻ろうとして、夕飯がないことを思い出した。

No.183


商店街について、買い物をはじめようと思ったら、電話が鳴った。

No.184


「♪♪♪」

着信は、お客。

(ママもいないし、無視しようかな…)

No.185


暫く携帯を眺めていたけれど、しつこく鳴るので諦めて出ることにした。

「もしもし…?」

No.186


「15分程したら着くから」

それだけ言って電話は切れた。

No.187


私は、何も買わずに部屋に戻ることに。

No.188


部屋に戻った直後ぐらいに男が尋ねてきた。

「どうぞ…」

No.189


男は、玄関から上がろうとせずに、封筒を差し出してきた。

「あの…?」

No.190


私が受け取るのを戸惑っていると、

「お前の母親は暫く帰らないから、これから時々こうやって金を渡しにくる」

No.191


(どういうことだろう?…聞いても多分教えてもらえないんだろうな)

「解りました、ありがとうございます」

No.192


「じゃ、また来る」

男はそれだけ言うとすぐに帰って行った。

No.193


(ママはあの男と一緒にいるのかな?…)

私は、封筒の中を確認すると10万円も入っていた。

No.194


(えっ?こんなに?)

お札の後ろにメモ紙があり

《10日おきぐらいにくるから、そう思って使うように。》

そう書かれていた。

No.195


(家賃は確か3万円、光熱費を考えても5万円あればまかなえる…凄いお金だ!)

私は、封筒のお金を机に並べてみた。

No.196


(…これが、ママの値段なのかな…?…)

No.197


(ママは、本当にあの男と一緒にいるのかな?…)

机のお金を集めながらやはり気になった。

No.198


携帯を取り出してママの番号を出す…。

(どうしようかな…)

以前、男と一緒の時に電話を掛けて出てもらえなくて帰った後で、掛けたことでぶたれた記憶があったので結局掛けるのをやめた。

No.199


私は、もう1度買い物に出掛けた。

スーパーで、値引きのシールが貼られたお弁当と、これまで買ったことがないおしゃれ雑誌を買って急いで帰宅した。

No.200


お弁当を食べながら雑誌を早速見る。

小学生の女の子が化粧をして、綺麗な服を着てポーズを決めている。

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