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2016/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

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No.2139945 (スレ作成日時)

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No.101


早川君は、お茶を一気に飲み干すと、

「ご馳走さま!」

No.102


すぐに玄関に向かい靴を履き始めた。

(良かった…考え過ぎだよね。)

No.103


私は、早川君から感じたそれが勘違いだったんだとほっとして、靴を履く早川君の傍に行き、見送ろうとした。

その時、

No.104


急に振り向いて抱きしめられた。

「俺さ…」

No.105


早川君の体は、私よりも細いし、まだ子供の体つき。

「ちょっ、離して」

私は、振り払おうとするけど、力強くて無理だった。

No.106


「お前のこと好きだから」

そういう早川君の横顔が真っ赤になっているのが見えた。

No.107


(もういいか、今更1人増えたところで変わらないよね)

私は、抵抗するのをやめた。


No.108


「じゃ、帰るわ!お茶ご馳走さま」

早川君は、パッと私から離れると、急いで部屋から出て行った。

No.109


(それだけ…?……)

私は、少し呆気にとられて立ち尽くす。

No.110


(早川君が、私を…まったく似合わない)

私は、お茶を入れて飲みながら、ふと2人でいる姿を思い描いて、少し笑えた。

No.111


(目立たない私になんとなくちょっとって感じだろうな~)

勝手に色々と思い巡らせて何となく気分が変わっていた。

No.112


さっさと宿題を終わらせてしまった。

時計を見ると、もうすぐ12時になりそうだけど、まだ眠気はそれほどない。

No.113


布団を敷いて横になると、頭の中で、色々な思いが巡った。

No.114


(早く大人になりたいな…結婚はしないし、彼氏もいらないだろうな…)

ぐるぐるとくだらないことばかり考えているうちに眠りこんでしまった。

No.115


いつもの時間に目が覚めたものの、学校に行くのが億劫で布団から出る気がしない。

No.116


声色を変えて、学校に連絡をして休む旨を伝えた。

No.117


こういう時は、ママが普段面倒だからと学校と関わりあいを持たないことにありがたく思う。

授業参観もこないし、面談も受けないママ。

No.118


ママは、自分のしたい事だけをするという人。

幼い頃からずっとその姿をみてきたので、何の疑問も感じなかった。

No.119


時々、学校で他の子のママの話しを聞いていると、うちのママが特殊な部類の人だという事が解っていった。

でも、解ったところでどうしようもない。

好きでも嫌いでも、親を選ぶ事は出来ないから。

No.120


布団から出ずにテレビを見て午前中を過ごした。

No.121


(お腹すいたな…)

時計を見ると12時を少し過ぎている。

No.122


冷凍庫から食パンを取り出して食べた。

(夕方までは、外に出ない方がいいかな…)

No.123


再び布団に入って横になろうとした時に、携帯が鳴った。

No.124


着信の通知番号にまったく身に覚えがない。

(…誰?…出た方が…でも学校なら出れないし、いいかな…?)

No.125


かなり長い間呼び出し音がなり続けてからきれた。

(ママだったかな?急に携帯替えたりもしそうだしな。でも、今は、学校の時間だしかけてこないだろうし……)

No.126


携帯を片付けて気にするのをやめた。

No.127


布団に入りながら、テレビをつける。

ワイドショー番組やドラマの再放送。

チャンネルを色々回してみるもどれもいまいち見るきになれない。

No.128


テレビを消して、天井を見上げた。

No.129


取り留めのないことが、頭に浮かんでは消えていく。

(幸せって、何だう…)


No.130


もやもやとした気持ちが嫌になり、布団の中にすっぽり入って堅く目を閉じた。

No.131


色々な思いが浮かんでは消えていく。

(どうせ叶わないなら願わない方がいい…願うことすら、私には身の程知らずな気がする……)

No.132


私の空想の中には、優しいママとパパがいて、たまに会いにいく。

空想の中の優しい2人とショッピングをしたり、ママとお菓子を作ってパパが嬉しそうに食べる姿を見るのが楽しい。

No.133


今日も2人に会いにいこうとしたけれど、妙に白々しい気持ちになって、やめておくことにした。

No.134


時計を見ると、15時を少し過ぎている。

(もう、いいかな?)


No.135


私は、身支度を済ませて駅前に向かった。

No.136


本屋に入り、雑誌コーナーから書籍コーナーへ、気になる本を探す。

No.137


30分ぐらいかけて、じっくり見たけれど、欲しいと思う本は見つからなかった。

No.138


何だか、妙に寂しい気持ちになってきた。

《私って…1人なんだな…》

No.139


駅前の商店街を目的なく、歩いて店先に並ぶ色々な商品に時々目をやった。

No.140


「まき」

後ろからぐぃっと肩を掴まれた。

No.141


声だけで、誰か解った。

(何でまた…)

No.142


「今日、さぼりだったの?」

サッカーボールを片手に持った早川君が、私の隣に並ぶ。

No.143


「………」

何て返答しようか迷っていると、

「そんな時あるよな!」

早川君は、こちらの気持ちを察してそう言うと、話し続けた。

No.144


「俺さ、今から河原に行くから一緒に行こう」

そういうと、ぐいっと手を掴まれた。

No.145


まだ幼いながらも男の人らしい手になりつつある感じがする。

妙に寂しかった気持ちが、少し埋まる気がして、そのまま着いて行くことにした。


No.146


河原につくと、サッカーボールを暫く蹴り合う。

早川君が、学校の話しなどを楽しそうに話す。

No.147


はつらつとした様子を見て何だか虚しくなってきた。

(…幸せなんだろうな……いいな…)

No.148


「疲れた?何か飲み物買ってくるよ」

早川君は、ボールを私に預けて走って行ってしまった。

No.149


(これ以上、一緒にいたくないな…)

ボールを置いて立ち去ろうかとも思ってけれど、出来ずに河原に腰掛けた。

No.150


「これでいい?」

西日を浴びた早川君が、私にジュースを差し出す。

(かっこいいな…)

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