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2016/06/29 20:33(更新日時)


どこかに、痛みを感じない愛なんてあるの?




14/09/20 19:38 追記

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No.2139945 (スレ作成日時)

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No.201


(同じこの世の中に生きてる人なのかな?!)

私は、あまりの知らない世界にドキドキが止まらない。

No.202


モデルの女の子達の着ている服や小物は全てきちんと値段がかかれていて、販売先まで書かれている。

私が住んでいる町からは遠くて行けないけれど、似た物は揃えることは出来そうなお店がある場所はわかっていた。


No.203


もう1度封筒のお金を出してみた。

(服買ってもいいのかな…?…次の日曜に行ってみようかな…)

No.204


少し心配な気持ちと、知らない世界を見ようとするドキドキの気持ちで、何だか落ち着かない。

こんな気持ちは、初めて味わっているのかもしれないな。

No.205


私は、家賃と光熱費を別の封筒にしまい残りを財布を入れた。

(明日から、欲しい物をどんどん買おうかな…)

No.206


財布に入ったお札を見ながらその夜は興奮して、中々眠りにつけなかった。

No.207


翌日、学校に行くと早川君が笑顔で手を振ってきた。

(…?なんだろう…?…)

No.208


私は、昨日早川君とおこった事をすっかり忘れていた。

「おはよう、今日塾が終わったらちょっと会いに行っていい?」

No.209


周りにいた女子が、私達のことを見て、コソコソ話している。

(まずいな…学校で目立つことはしたくない)

No.210


慌てて早川君を非常階段の下に促して、

「学校で話しかけないで、皆に色々言われるの嫌だから」

No.211


私は、早川君に嫌われても平気なので強気で言い切った。

「わかった…ごめん。でも、まきの家って電話ある?」

No.212


うちには固定電話はない。私が首を振ると

「連絡とれないから…わかった!じゃ、学校終わったら…」


早川君は、学校近くの場所を指定して、そこで落ち合おうという提案をしてきた。

No.213


(面倒くさいな…)

私は、いっきにうんざりした気持ちに。

(仕方ないか…引っ越し迄の辛抱だもんね)

No.214


「わかった」

私は、それだけ伝えると教室に走った。

No.215


授業中もずっと、何を買うかで頭がいっぱいだった。

(前から使ってみたかったあのリップクリームをまず買おうかな…)

No.216


学校が終わり、すぐに帰って買い物に行きたかったが早川君との約束の場所に向かう。

(…いやだな…誰かに見られたら面倒だな…そうだ!用事があるからってすぐに言って帰っちゃおう)

No.217


約束の場所に早川君は先にいて、私を見つけると大きく手を振る。

(…すぐに帰るっていわなきゃ)

No.218


「一緒に帰ろう」

早川君にそう言われて、一瞬何も言えなくなりそうになった。

No.219


「…いや?」

早川君が怪訝な顔で覗き込んでくる。

No.220


(どうしよう…こういうの苦手だな……)

何て言ってこの場を切り抜けたらいいか思い浮かばない。

No.221


「買い物して帰るつもりだったの」

正直に話してみた。

No.222


「一緒に行ったらまずいよな」

早川君が私の望む方向に自ら話しを向けた。

No.223


「…うん、誰かに見られたら嫌だし、1人で行きたい」


「解った、…じゃ!」

早川君は、名残惜しそうに手を振ってその場から去った。

No.224


(良かった…)

早川君のことは、好きじゃないけど、やっぱり人を傷つけることはためらわれるし、出来ればしたくない。

No.225


そのまま駅前のお店に向かっていっきに走った。

No.226


女の子が欲しそうな物が沢山並んでいるそのお店にはいつも眺めることしか出来なかったけれど、今日は入れる。

しかも、買い物が出来る。

No.227


走って息が切れていたのを深呼吸で整えて、お店に足を踏み入れた。

No.228


狭いお店には、同じ年ぐらいの女の子が数名。

私は、左右を見て胸が高鳴っていくのを感じる。

No.229


(夢みたい…今なら何でも買えるんだ!)

私は、お財布を握りしめて一呼吸。

No.230


色々な品物を見ていると、気持ちが冷めていく。

No.231


(…私が、ここに置いてある品物にふさわしいのかな…)

No.232


他の子達が、友達同士で楽しそうに見ているのも気になり出した。

(私は、違う…だめだ…)

No.233


何も買わずに、店を飛び出した。

(苦しい…)

胸がかきみだされて、息が苦しくなった。

No.234


(似合わない…あそこにある物全てが私には……)

公園までたどりついて、ベンチに腰かけると、涙が溢れてきた。

No.235


拭っても拭っても涙が次々に溢れてくる。

公園に誰か入ってくる気配を感じて、見られないように飛び出した時に、人とぶつかった。

No.236


「…っ、すいません」

私は、謝ってすぐに立ち去ろうとすると、

「まきちゃん?」

No.237


相手は、さえぐささんだった。

「…こんにちは」

涙声にならないように必死で声を出した。

No.238


「まきちゃん、駅前の新しく出来たカフェに連れて行ってくれない?」

優しい声でさえぐささんが言った。

No.239


さえぐささんは、何も言わないけれど、私が泣いていたことはきっとわかっているはず。

No.240


「…はい」

私は、さえぐささんとカフェに向かうことにした。

No.241


「助かった、1人で行っても注文が出来ないだろうし、変わった飲み物にチャレンジしたくてね」

さえぐささんは、他愛ないもない話しを続けてくれた。

No.242


1人でいるのは耐えられなかっただろう…けど、友達もいないし、ママもいない。

そんな時に、優しいオーラをまとったさえぐささんと一緒にいれることは、救いになった。

No.243


さえぐささんはずっと、他愛ないも話しを続けてくる。

私は、時折相づちをうつだけでよくて、涙声を解消出来た。

No.244


カフェにつくと、窓際に近い席に案内された。

店内は、お客がまばらで友達同士やカップル、読書する人など様々。

心地よいボサノバの音楽がかかり、観葉植物の配置でお客同士の視線をうまく遮るようになっていた。

No.245


「いらっしゃいませ」

店員さんが、お冷とMenu表を2冊置いて、

「お決まりになりましたらお呼び下さい」

そういうと、さっとその場を離れた。

No.246


「コーヒーの種類を教えてくれる?」

さえぐささんに言われて、コーヒーの欄を見つけて読む。

どれも見たことも聞いたこともない、おしゃれな長い名前ばかり。

No.247


「変わった種類があるね」

さえぐささんも少し驚いた様子。

No.248


さえぐささんは、ナッツの香りがするコーヒー。

私は、お花の花びらが入っていると書かれた紅茶をオーダーした。

No.249


飲み物が届くまで、お店の内装をさえぐささんに説明しながら過ごした。

(こんなおしゃれな空間初めて…1人だったらどんなに緊張しただろうか…)

No.250


「お待たせしました」

ガラスのポットに花びらが咲いているように見えて

「綺麗…」

私は、思わず口にしてしまった。

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